夫にとてもとても感謝した日、期間、夜

昨日は、私が学生時代から始めた趣味の集まりでの、お花見があった。

私が臨月に入ったこともあり、徒歩と地下鉄で片道40分ほどのお出かけだけど夫もついてきてくれた。(夫はこの趣味をやっているわけではなく、顔見知りではあるがアウェイ)

 

まず、出がけに腹帯をつけ忘れて家を出てしまう私。

途中で気が付いたら、すぐ「取ってくるよ」と夫。

歩き始めは、毎回気張ってしまうのかお腹が痛くなりやすいのだけれど、急かさず、いつも止まってくれる。地下鉄では、席のことを心配してくれる。夫と一緒は、安心して、出かけられた。

 

花見の始まりの時間が午後の途中だったので、昼食を食べてから、花見に向かうことにした。昼食の場所は、二人でたまに行っていた好きなうどん屋さん。

わりと人気のお店でしかも祝日。お天気がいいので「並ぶのも苦じゃないね」と話していたら、すんなりと入ることができた。座ってすぐ注文をする。

産休に入ってから特にトイレが近いので、注文後すぐにトイレに向かうと、外にお客さんが並び始めた。「たまたま、私たちの入ったタイミングがよかったのだな」と、思った。夫と出かけると、結構こういう場面に遭遇する。入るタイミングの時にはすんなり入れるが、ご飯を食べる最中には外でお客さんが並び始めて、なんだか得した気持ちになることが多いのだ。

トイレから出て、夫に、「あなたとご飯を食べるときに、こういうことが多いね」となんだかうれしいような気持ちで話しかけた。夫は、私がそういうことが多い人なんじゃない?と返してくれた。

うどんはとてもおいしかったし、体調的にたくさんの水を飲む必要があり、たくさん食べすぎてはいけない私はゆっくり食べてたくさん飲んだ。夫は自分のうどんの具を少しずつ分けてくれ、私のお腹が落ち着くのを待ってくれた。

 

お昼が済んで、まだ1時間くらい時間があった。

どこかに行きたいか問われて、時間をつぶす案を一つ二つ挙げたものの、ぱっとせず。歩きがてら、先日、テレビで見た神宮に、行きたいなと伝えた。夫は、道を調べてくれ、一緒に歩いてくれた。昨日は、すごく素敵なデートだった。階段を上がるときは、後ろについてくれ、安心させてくれた。

神宮につくと、それぞれ手水で手を洗い、狛犬を触り(縁結びと安産祈願のご利益があるらしい)、参拝をして、おみくじを引いた。福御籤が200円で、細かいお金が少し足りず困っていたら、100円私に渡してくれた。夫は、自分の分の細かいお金がないこともあって、お守りを買ってくれた。健康お守りと、子どものお守り。

お御籤は、私が小吉、夫が末吉。夫は、内容が厳しい!と笑いながら、もう一回おみくじを引いた。今度は小吉で、「安産、産後に注意」と書かれていたものを一回目のお御籤と一緒に財布に入れた。

 

お花見には、40分ほど遅れて参加した。

趣味の集まりの人たちは、私達より年下も、年上もいるが、概ね夫婦、子どもをもっている親としては先輩ばかりで、私達をとても気遣ってくれた。「頑張ってね」「尊いよ」「結局痛いんだから、体重はもう気にしなくていいよ」「生まれてからが大変だぞ」などなど…

1時間半、穏やかな陽気の中、遊ぶ子どもたちや話す親たちと過ごした。夫は、その場所に一緒にいてくれ、子どもたちの遊ぶ様子を楽しんで眺め、先輩たちの話を楽しそうに聞いてくれた。わからない話も多かったろうに、ありがとう。

 

お花見が終わった後は、夜の会に向かう人達と別れ、マクドナルドに行った。コーヒーゼリーパフェの2回目を食べるために。道を熟知している夫を尊敬した。

コーヒーゼリーパフェは、発売1週間たって、オペレーションが整ったのか、とてもきれいな盛り付け、申し分ないボリュームだった。おいしかった。夫が頼んだナゲットも二人で分けた。マクドナルドで、夫に、「階段とか、お腹が痛いときとか、私は当人だから大丈夫だろうと思えるけど、傍から見ていたらその痛みとかって想像してもわからないわけで、心配になるのは当然だよね」と言ったら、「うーん。心配というより、『こうなるかもしれないから、先に備えておこう』ってする方が安心なんだよね」と返してくれた。すごいな、と思った。

 

帰ってきた後、オンラインで知人とゲームをした。

たくさん笑った。23時には大体終えて、オフラインにして、ささっと寝支度をして、寝ることにした。夫も、あまり変わらないタイミングで、布団に入った。

 

嫌な感じのする夢で起きた。

何となく、時計を見たらまだ1時半だった。夢見のせい&臨月に入りこれからあんまり眠れないぞ&こんな風に産後は急に起こされて孤独な夜がもりもりだぞ、という状態に急にパニックになり、二度寝するにもまず全然寝ていない状態に驚き(しかも眠くないのだ)、「どうしよう」とつぶやいて体を起こした。

そしたら、夫が、心配そうに「大丈夫?」と起きてくれた。起きてくれたのだ。

最近、夫は寝つきが悪いようで、休日の朝起きてくる時間も遅く、絶対に起こしたくないな、と思っていた。でも、昨夜は本当に追い詰められた気持ちだったのだ。ああ、産後眠れなくて、体力も削られ、孤独を感じて鬱になるルートが見えるぞ?こんな明けない夜を何度も繰り返せるのか?って、絶望的な気持ちになっていたのだ。

夫が、起きてくれたのだ。

特大の感謝だった。私は一人じゃなかったのだ、と思った。

 

妊娠、出産を考えたきっかけは、2021年度末。

上司に、次年度の業務希望を聞かれたときに伝えた「出産を考えています」という言葉。もう、今の職場に異動してきてから、年を経るごとに与えられる立場が重くなり、コロナ禍に入って挙式タイミングも逃し、その上新人と組まされ続ける3年間。(新人はみんな優秀で、困ることはなかったけれど、妊娠タイミングはずらし続けた)

私はもう35になっていた。

昨年度も、任された内容がとても重かった。そろそろ、妊娠や出産を考えたかった。

夫は、以前「父になる自信がない」と言っていた。けれど、私は子どものことを彼と相談した。夫は、妊娠に向けて一緒に妊活をしてくれた。私の卵巣は実年齢より年老いていたが、検査とタイミング法で、なんとか妊娠に至った。

 

夫は、契約社員だった。ちょうど私のつわりが始まった昨年度の秋ごろ、契約更新せず、雇用保険をもらいながら資格試験の準備をしたり、再雇用の講習を受けたりして、仕事を始めず、支えてくれた。彼のキャリアを曲げてくれた、のだ。

このことについて考えるときに、いつも複雑な気持ちになる。彼自身はどう思っていたのだろう、私の妊娠がなければ、資格試験に受かった後春にまた仕事を始める目算だったというのに。

 

妊娠期間、またはそれ以上、彼は私を支えてくれた。

彼と結婚し、家族になってよかった、と強く思った夜だった。

 

子が生まれるということは、子が中心の時間になるわけで、私たちのライフスタイルは大きく、本当に大きく変わる。夫の時間も、変わるのだ。夜遅くまでゲームで通話をしながら遊べる時間は、この後しばらく取れない。(片方が遊ぶことはできそうだが)

乳児の世話、離乳食、保育園、送り迎え、買い物、色々…彼の時間も、それらのことにたくさん使われるわけで、出産が私のエゴだったのでは、私は本当にその変化に耐えられるのだろうか、と恐くなってしまったのだ。本当に、子に、申し訳ないことに。

この産前休暇だって、夫とたくさん過ごすことができているこの連休だって、土日だって、この子(と私の仕事の制度)がくれた時間なのだ。

 

夜中に私の声で起こされた彼は、怒ることなどなく、パニックになっていた私を宥め、落ち着かせ、また眠りについた。私は、まとまってそのあと寝付けなかったが、特大の夫への感謝、思考の整理、「横になって目をつむっていれば睡眠の7割くらいは取れる」というどこかで聞いた知識、その他夜中の地震や夜中も動いているTwitterのTLによって、落ち着きを取り戻せた。眠れなくても、明るくなってから寝てもいいじゃない、と開き直れた。

結局、ぼんやりと眠りに近いような状態で3時間過ごし、4時半に起きてヨーグルトを食べながらこの文章を書き始めた。

 

何年たっても、この、特大の感謝を忘れずいたい。

落ち着いたら、夫への手紙をしたためようと思う。今まで、妊娠期間、昨日、昨夜。あなたと家族になって、本当に私はよかったと思っていることを伝えたいのだ。