前駆陣痛、五分間隔、半日、帝王切開

5月31日の夕方、夕飯を作りながら不定期の痛みが来ていた。頻度が高めで、前駆陣痛かな?まだ生理痛みたいな痛みだな、と病院へ電話はせず、晩ごはん後には落ち着いたので早めに布団に入った。

 

6月1日、1時。

短い時間だが痛みがやってくる。10~8分に1回程度の痛みが2時まで続いたので、一旦病院に電話。まだ耐えられる痛みだったので、朝まで様子を見ることに。

4時頃には大体5分に1回間隔になり、痛みも強くなってきたので一旦病院へ。痛いときはゆっくり息を吐きながら、タクシーで向かった。病院で内診してもらうも、子宮口が1cmも開いておらず(指が一本入るほどとのこと)、まだまだ時間がかかりそうなため自宅へ戻るよう言われる。これがよく聞くやつか~と少し落ち込みながらも家へ戻り、横になって耐えながらうとうとできたらうとうと。

大体5分に1回、ゆっくり呼吸が3から4回分過ぎるまで痛みがやってきて引いてくる。お腹も腰も痛いけど、これ2分間隔や全開大だと耐えられないのでは?と思うくらい痛みが強くなってきていた。いきみ逃しのいるタイミングはこの先だけど、果たして何時間後の話だ……?お産進んでくれーと願いながら、お昼にうどん。1時間かけて食べ終えて、2時まで待って、病院に電話。夫の運転で病院へ。

かなりしんどかったけど、すぐ担当のお医者さんが内診してくれ、入院が決まる。子宮口2cmで全く進んでなかったけど、陣痛室でNST。入院だったので夫と突然のお別れ。NIPTでお世話になった先生も途中見に来てくれたり、痛みもそこそこだったので耐えながら、ここから夜中くらいまでかかるんだな、でもとにかく入院だから安心だな、と思っていた。

陣痛~出産までの服に何とか着替えたと思ったら、点滴のルートを取られる。この時にルートを取ってくれた担当の方が、他のスタッフさんにピッチで「他のものは必要かすぐ確認してくれる?」と聞いていて、遅れて血液も取られる。NSTを恐らく20分ほどしたあと、担当のお医者さんから「緊急帝王切開」と言われた。赤ちゃんが苦しいサインを出していて、恐らく陣痛に耐えられないこと、火曜日の受診の時点で指摘があった「羊水が少なくなってきてる」ことが、理由だった。二度目の受診のタイミングがちょっと遅れていたら大変だったかもしれない、よかったよ!とも言われた。

号泣。

でも頭では納得していた。胎児の安全を考えれば、そして現状子宮口2cmでまだ長時間のお産になる可能性がかなり高いのであれば、胎動が減っていて胎児が死んでしまう可能性があれば、帝王切開の方が正しいのだろうと。

何が悪かったんだろう、と思ったし、体重管理?マッサージやラズベリーリーフティーの頑張りは無駄だったかな、と思ったし、高齢出産だからかなと、思った。ただただ、突然のことに泣いてしまった。

フルコースになってしまったね、と担当の先生は慰めてくれた、助産師さんや看護師さんも、泣いてる私に温かく声をかけてくれた。びっくりしたね、帝王切開の話は事前にあったの?不安だね、と。

 

すぐに、夫を呼んだ。泣きながら、痛みもやってきながら、電話で伝えた。

まだ帰宅してなくて、病院のわりとそばで時間を潰していたらしい。陣痛室に入った後、時間がかかるから帰ってていいからね、とLINEしてあったけど、すぐに来てくれた。

やってきてから、手術同意書にチェックをつけたり、時間はどれくらいかかるのか、などスタッフさんが説明してくれるのを聞き、手術着に着替えさせてもらう。点滴もついていたので、全部やってもらった。下準備されながら、相変わらずやってくる陣痛に耐え(思い出すとだんだん下腹が痛くなってくる)、あとはストレッチャーに乗せられ、手術室へ。

台に乗って、無痛分娩の説明のときに練習した、丸い姿勢を取る。最後の陣痛、三回分。麻酔用の痛み止麻酔、硬膜外麻酔、もう一つの痛み止麻酔、腰椎麻酔、の順だったかな。硬膜外麻酔が入ったあとはかなり陣痛が楽で、腰椎麻酔になってからはぽかほかとした足元。

仰向けになって、服が全て取られて、麻酔が効いているかの確認でアルコール綿を三ヶ所に塗りつけて冷たいのがわかるのか確認される。触られているのはわかるが、冷たくないところ(胸から下)、冷たいところ(肩から上)を答え、帝王切開開始。

手術室は明るい雰囲気で、術前の確認の会話などをしていた。手術前に、時間はどれくらいかかるのか確認したが、赤ちゃんが出てくるまでは30分くらいだよ、と言われていたので、緊張しながら待った。(麻酔の先生に、「お昼食べてるから吐いちゃう可能性あるから、意識あるまま手術するんだよ」と言われたので、気持ち悪くなったらどうしよう、と不安ではーはーしていた。

赤ちゃんは、すぐ泣いた。ほっとして、泣いてしまった。仮死だったら、どうしよう、と不安だったからだ。

羊水はやはりとても少なかったみたいで、お医者さんが、よかった、と言ってくれた。

そのあとは、胎盤を出したり、出血の処置をしたり、恐らく色々してくれている中、赤ちゃんをそばで見た。新生児、ふやけている指先、意外と生えている髪の毛、はじめまして。

 

事前のエコーの話通り、男の子だった。

 

病室に運ばれる途中で、ラウンジで待っていた夫と会話。その後は病室のベッドで休みながら、夫とのんびりと、話をした。

 

子はちゃんと産まれてきてくれた。命があった。よかった。